ヘッドホンやイヤホンを使うときに、「定位」って気にしたことありますか?
定位とは、「どこで音がなっているか=音の発生地点」のことです。
定位が良いデバイスを使うことで、例えば敵の足音がした場所がわかりやすくなり、勝率が上がったりします。
我が家には定位が良いと言われるサウンドデバイスがいくつかあるので、いい機会だから比較してみようかなと思い立ちました。
安めのデバイスとの比較のために、AppleのEarPods(iPhone付属のやつ)も仲間に入れました。
先に結果を書いちゃうのですが、今回のデバイスたちであれば定位はどれでも十分で大差ないや、と感じました。新しく購入を考えている方の参考になれば幸いです。
▼この記事のあと、他にも素晴らしいヘッドホンを見つけました
【定位/音質最強】にわかの『Drop + HIFIMAN HE5XX』レビュー!音楽鑑賞/FPSにも最適なヘッドホン
以前の記事でも軽くご紹介した「DROP」という海外通販サイトで、PC38Xに続き良い買い物ができましたので記事にします。はっきりって最高のヘッドホンです。 今回買ったのは表題の通り。『Drop + HIFIMAN HE5XX』です。
選手紹介
1. PC38X
まずはDrop + SENNHEISERによる「PC38X」です。
これだけ、まだ日本であまり広まっていない商品なのでしっかり目に紹介します。
SENNHEISER(ゼンハイザー)というメーカーは音響系の老舗です。音楽制作現場や映画制作現場などのプロフェッショナル用途でも愛されている、こだわりの音を提供する素晴らしいメーカーさんです。
最近ではゲーミング製品専門の『EPOS』というブランドも立ち上げています。
ではPC38Xがどういう製品なのかというと、
「GAMEONE」の形をさせて「GSP500 / GSP600」のドライバーを積んだヘッドセット
なのです。
「GAMEONE」というのは音ももちろんですが付け心地に人気があった商品。「GSP500 / GSP600」はEPOSのハイエンド機種。音質や定位が抜群ですがつけ心地にクセがあります。
つまり、過去の製品の良いとこ取りをしてるのです。ユーザーの声を反映した素晴らしい商品だなと感じます。ちなみに有線オンリーです。
Dropという海外の通販サイトから購入が可能なのですが、個人輸入をする形でかつ発送タイミングが特殊なのでちょっと手に入れづらい商品です。
対応しているクレジットカードがあれば割とスムーズに購入できます。わかりやすい記事▽があったのでシェアしておきます。
情報に敏感な人はやっている「DROP」ってどんなサービスなの?
徹底解説!情報に敏感な人はやっている「DROP」の特徴・会員登録・利用方法など詳しくご紹介していきます。ここでしか買えないプレミアム商品を手に入れよう!
ちなみに僕の使用感は、
- 音は最高でドンシャリ寄り。ゲーム、音楽、映画鑑賞なんでもござれ
- 定位も最高。どこから鳴ってるのかわからないということがない
- 見た目が人を選ぶかもしれない。僕は大好き
- 側圧が少しだけ強めで、ティッシュ箱で24時間おっぴろげの系に処したがあまり改善せず。メガネをして長時間つけているとちょっと痛くなるかも
- 有線接続のみで、マイク音質かなり良い
こんな感じです。18,000円くらいで買えるのですが、この価格帯では最高峰ではないかなと思います。
2. IE40 RRO
お次はまたもやSENNHEISERの「IE40 RRO」です。
こちらはイヤーモニターのような形をしていて、耳の上の方に掛けて装着するカナル型イヤホンです。イヤモニと略すとそれっぽい人になれます。
ちなみにこの形だと、イヤホンが外れたりずれたりしない、タッチノイズ(ケーブルと服などがこすれる音)が軽減できるなどのメリットがあります。耳掛け部分も形の調整が可能です。
ゲーム向けの製品ではないのですが、ゲーム用途にも非常に優れており、レビュー記事もたくさん存在するので気になった方は調べてみてください。
僕の使用感は以下です。
- 音は良いが、高音が刺さりやすい。DACやアンプで調整してはじめて真価を発揮し、2万円前後のヘッドホンまでなら圧倒できるレベル。ゼンハイザーらしいパッキリした音で、現代音楽に適している印象
- 定位も含め、あらゆる音が逃げずに聞こえる。このイヤホンをして初めて、「ここでこんな音鳴ってたんだ」と気づくことがある
- マイクがないのでボイチャなどは別途マイクが必要
- カナル型が得意ではないので長時間利用はしてない
▼購入はこちらから
3. Razer Opus
最近ファンが急増している気がするRazer先輩。こちらは「Opus」というRazerらしくない製品です。
Razer先輩といえば、黒!緑!光!蛇!みたいなイメージですが、実はこんなシックなデザインのモデルも存在するのです。SONYのあれにそっくりなのはご愛嬌・・・。
こちらはBluetooth接続が可能なこともあり、仕事でのZoom利用メインに愛用してるのですが、ゲーム用でも十分使えます。僕の使用感は以下です。
- 有線での音は非常に良い。フラット傾向だが専用アプリで多少調整できる
- Bluetooth接続の場合、Bluetoothにしてはいい音
- ノイキャンは最近のモデルにしてはいまいち。ホワイトノイズ少し気になる
- マイクは内蔵されてるが全方位なので周囲の音も拾いがち
- 側圧が最初強かったがティッシュの刑で改善できた
- 外でつけても違和感がないデザインで、スーパーオールラウンダー
▼購入はこちらから
4. ASTRO A40 TR
こちらは愛用者の多い「ASTRO MixAmp Pro TR」とセット販売されている、「ASTRO A40 TR」です。ちょっと古いモデルなので今から買おうという方は多くないかもしれません。使用感は以下です。
- デカくてちょっと重いがつけ心地が良く、長時間つけていても気にならない
- 音は見た目の割に素直でフラット。MixAmpでの調整ありきで作られていそう。開放型なので低音がちょっと弱点かも
- 有線接続のみで、マイクも良好
5. Apple EarPods
最後はこちら、日本人で所有者が最も多いイヤホンなのではと思っている「Apple EarPods」です。
この子は意外と優秀な子で、数千円のイヤホンの中でもクセがなくマイクも付いていて安心して使えます。リモートワークが始まって利用頻度が高まった方も多いのではないでしょうか。
ゲーム用にこれを使っているという方も多いようなので、比較対象として今回参戦させました。一応使用感も添えておきます。
- ゲーム用途では必要十分だが、迫力に欠ける。特に低音
- PSコントローラーに刺すとマイクが使えない
- Switchでカジュアルなゲームをするときなどは取り回しもよく最高
- カナル型が苦手な人にとってはつけ心地が良い
定位の良さ勝負方法
勝負方法はシンプル。
PC版Dead by Daylight のチュートリアルで、
①発電機のシャカシャカ音を、自分がくるくる回りながら聞く
②逃げ回るサバイバーの足音を、自分がくるくる回りながら聞く
これで行いました。①は中音域の定位確認、②は低・高音の定位確認といった感じです。
また、接続は3パターン。
a. PC直差し
b. ASTRO MixAmp Pro TR 経由で接続(ステレオ)
c. EPOS SENNHEISER GSX1200 Pro 経由で接続(ステレオ)
ちなみにサラウンドにしていないのは、僕がステレオ信者だからです。定位に限っては、今のサラウンドは向いてないと思ってます。
では、いざ尋常に・・・勝負!
勝負結果
2時間ほど色々やってみた結果。
こうなりました・・・!
全パターンを書くと途方も無いので、振り返りを簡単に記しておきます。
- 改めて聞いてみると、上記デバイスに音の発生地点の的確さは大して差がない
- デバイスの差でいうと、「一つ一つの音がどれだけ分離されているか」つまり解像度が高いと、拾いたい音が他の音に邪魔されなくなり、体感定位に最も影響を与えると感じた
- ただ、距離が離れたときに上記の順位傾向が強くなる。おそらく解像度の問題で、SENNHEISER製品の遠くの音の定位の良さは圧倒的
- また、そもそもの話になるが「拾いたい音がよく聞こえるようにイコライジングする」ことが、一番定位を良く感じさせる事に気付いた。
例えば①の発電機の音は中音域を広域に含み、周りの音と作用し合いやすいので、どのサウンドデバイスを使っても定位の良さは大きくは改善しない。しかしイコライジングで中音域をスマートにすることでかなり定位が捉えやすくなる。その後デバイスを切り替えると、若干の差だが上記のような順位になると感じた - IE40 RROを1位としているが、上述の通りあらゆる音を拾ってくるため、ゲームによっては不必要な音まで拾ってしまうことがあるかもしれない。しかし音の分離性が高いので、邪魔にはならないだろうと思う。が、高音の刺さり問題もあるのでMixAmp や GSX300 / GSX1200 などを経由して接続することを推奨する
- マイクがあることも考えると、手に入りにくいがPC38Xが最もおすすめ。同じドライバーを使っているGSP500 / GSP600 でもほぼ同じ結果となると思う
- ASTRO A40 TRが現役の方は、無理して買い換えなくても全然良い
- 仕事や音楽鑑賞など利用シーンの幅が広い方にはRazer Opusがおすすめ
- EarPodsにはなんかごめんという気持ち
- MixAmpとGSX1200の差は、やはりGSX1200の方が音圧が強く解像度も上がり、結果定位も良くなるイメージ。MixAmpは本当に僅かだが音がこもる気がする。しかしMixAmpはイコライジングを手動で自由に設定でき、GSX1200は4パターンのプリセットしか使えないのでそこをどう捉えるかによる。ゲームごとにイコライジングしまくりたいという方はMixAmpの方が良いかもしれないが、GSX1200を超えるパフォーマンスを出すのはおそらく難しい。MixAmpはそもそもチャット音声とのミックスの取り回しが最も大きなメリットだと思うのでそこはそう割り切るべき
長々と文字の羅列で分かりづらいかもしれませんが以上です。
これらの機器で試してほしいことなどあれば、お気軽にTwitter(@GaSaP_3)にてDMください!
今回もお読みいただきありがとうございました。