【PS5】尖りまくった最高の”奇作”。『Returnal』をレビュー!オススメ度★★★☆☆

ものすごいゲームがこの世に生まれてしまいました。ゲーム情報をよくご覧になる方はとっくにご存知かもしれませんが、PS5の新作『Returnal』です。

結論から書いてしまうと、

  • 個人的には最高のゲーム。2021年のNo.1候補
  • 万人には絶対におすすめできない

こんなゲームでした。結果、オススメ度は★★★☆☆としたいと思います。少し掘り下げて、「どんな人が買うべきで、どんな人は買わないべきか」が分かるようにレビューしていきたいと思います!いまだにやってるんですが、いやー楽しいです。

created by Rinker
ソニー・インタラクティブエンタテインメント

どんなゲーム?

ストーリー

姿を変え続ける謎の惑星“アトロポス”に墜落した宇宙飛行士セレーネ。脱出の方法を探すため、謎めいた廃墟の広がる荒地を探索していた彼女は、異形の敵に襲われ、命を落とし――なぜか墜落の瞬間に戻り、再び脱出の旅を始める運命となる。

PlayStation – Returnal公式ページより抜粋

主人公は女性セレーネ。日本語吹き替えの声優さんは小山茉美(こやままみ)さん。Dr.スランプアラレちゃんや、近年だとアニメ「約束のネバーランド」のママことグランマの声優さんです。超ベテランさんですね〜。

セレーネは宇宙船が壊れて未知の文明が築かれた星に墜落してしまうんですが、脱出のヒントを探すうちに敵にやられて死んでしまいます。すると次の瞬間、この星に墜落した瞬間に戻されてしまうのです。いわゆる「ループもの」ですね。

そして不気味なことに、この惑星には自分自身の死体や、残した覚えのない自分の音声テープが落ちている・・・。何度もループを繰り返しながら、この惑星の謎を探索していく。そんなゲームです。永遠にループが続く。だから「Returnal(リターナル)」というタイトルなわけですね。

ゲームシステム

ゲーム開始時に「本作は意図的に難易度を上げています」と怖がらせてきます

ゲームシステムこそが、このゲームを尖らせている理由となります。そして、類を見ないほど強い中毒性を持っています。

TPS × ローグライク × 死にゲー

この3要素の掛け合わせが、このゲームのオリジナリティを極限まで高めているのです。

  • TPS:サードパーソン・シューティングの略。3人称視点で銃などを撃って戦うゲームのことです。バトロワの「フォートナイト」「PUBG」などが有名です。
  • ローグライク:プレイするたびにマップやダンジョンが新たに作られるゲームの総称。有名な「不思議のダンジョン」シリーズや、近年ヒットしたものだと「DEAD CELLS」「HADES」などもローグライクの一種です。
  • 死にゲー:難易度が高く、ゲームオーバーになりやすいゲームの総称。「ダークソウル」「デモンズソウル」や、2019年ゲームオブザイヤーの「SEKIRO」が有名です。

まずTPSゲームとして非常に質が高いです。高い操作性、豊富で個性的な武器種。エイム(照準合わせ)が苦手な方向けにエイムアシストの設定もあり。コントローラーの入力に対しキビキビとセレーネが動いてくれて、慣れるととにかく「思ったとおりに動かす」事ができます。個人的に、最高の操作性を誇るこの手のゲームは「METAL GEAR SOLID V」だったんですが、同じかそれ以上にプレイしていてストレスがありませんでした。

ローグライクとしても、とてもよく出来ています。ローグライクの特徴として「死ぬとアイテムやレベルが全てリセットされる」というものがあるのですが、本作も同様です(一部の特殊装備やアイテムを除く)。

惑星の形もループするたびに変化しているのですが、ある程度パターンが決まっています。なのでプレイを重ねるごとに、プレイヤーが経験をもとに対策が打てるようになっているのです。「この敵は近接攻撃で倒したほうが早い」「今回はこのエリアの隣にこのエリアがあるのか。確かあの強いやつが出てくるから後回しにしてあっちから探索しよう」といった判断ができるようになっていきます。ループすればするほど、この判断が的確なものになっていき、惑星をより深く深く進むことができるようになるのです。

また、新たないろんな条件を満たし装備品やアイテムを「アンロック」すると、以降それらが宝箱などから普通に手に入るようになります。これによってどんどん有利に探索を進めることが出来るようになります。拾ったアイテムを最大限に活かす進み方を試行錯誤するのはとても楽しいです。

最初はとにかくゲームオーバーが多いと思います

普通ローグライクというのは、序盤は簡単です。徐々に難しくなっていくので、しっかりキャラを成長させながら進めて行くのが定石なんですが、本作は死にゲーでもあります。序盤でも油断すると一気にピンチになるのです。このことが本作のプレイに大きな緊張感をもたらしていて、唯一無二のゲームへと昇華させているのです。

ボス戦もなかなかハードです。いわゆる「弾幕」をかわしながら、ボスを撃っていきます。ボスの体力は多めなのでしっかりボスの動きを覚えないと、あっさりと敗北してしまいます。ちなみに各ステージでボスまでたどり着くのに、しっかり準備していくと1〜2時間はかかります。負けるとこの時間がほぼパーになるのです。「絶対に負けたくない」という気持ちでボスに挑む。ボスの直前からやり直せるソウルシリーズとは違う緊張感があります。

しかも、本作は「中断セーブ」がありません。この手の作品で、こんなの初めてです。
「中断セーブデータをクラウドなどに保存して、死んだのに中断データから再開するといった不正を防ぐため」なのだそうです。途中でやめたいときは、PS5をレスト(スリープ)モードにするしかなく、他のゲームを始めるとReturnalは最初からになってしまいます・・・!

そんなこんなで、ボスを倒しステージクリアできたときの快感は言葉に出来ないほどです。一度これを覚えてしまうと、このゲームがやめられなくなります。ステージ1のボスを倒す事ができた頃には、きっとこのゲームの虜になっていると思います。

その他

惑星の雰囲気、とても良いです

その他、このゲームの特徴を列挙していきます。

  • グラフィックがめちゃくちゃキレイ。PS5の性能をフルに活かしています。基本60fpsです
  • プレイ開始以降、ロードはありません。死んでも一瞬で次のループが始まります
  • 途中、数箇所でFPS視点になり、ホラー的な演出があります。結構怖いです。絶対ムリな人は購入を避けたほうが良いかも
  • PS5コントローラーの機能も十分に使われます。特に細かな振動表現が没入感を高めます
  • 「メトロイド」の雰囲気をすごく感じます。ボスを倒すごとに固有能力が増え、マップ上で行ける場所が増えていきます。メトロイドヴァニアが好きな方は楽しく感じると思います
  • チラホラとバグがあります。アプデで順次改善されてますが、前々回のアプデではプレイデータが全部消えてしまうというやばいバグがありました(前回のアプデで解消されています)。ので、アプデのインストールは手動設定にしたほうが無難かもしれません。ユーザーによって、まれにゲームが突然落ちてしまい最初からになってしまう方もいるとのこと・・・。これもアプデでよくなっていくとは思いますが・・・。
  • 全体的に見ると、ボリュームはそこまでありません。プレイヤースキルによっては数十時間と遊べますが、もう少しボリュームがあったら良かったなと個人的には思いました。

プレイ動画

僕のボス戦の動画を一つ貼っておきます。ボスの動きなどネタバレしたくない方は視聴をお控えくださいm(__)m

まとめとターゲット

以下の項目に当てはまるものが3つ以上ある方には、購入をオススメします。多ければ多いほど向いてます。

  • 死にゲーが大好き
  • ローグライクが大好き
  • TPSが大好き
  • メトロイドヴァニアが大好き
  • PS5の性能を存分に楽しめるゲームがしたい

しかし、以下の項目に当てはまるものが1つでもあれば、フルプライスで買わずに安くなるのを待ってもいいと思います。海外ゲームですし、数ヶ月で値崩れしていくと思います。

  • 死にゲー/ローグライクのゲームにストレスを感じる
  • 他にPS5でプレイしているゲームがある
  • バグやエラーが許せない

こんなところです。
冒頭でも述べましたが、個人的には最高に面白いゲームで、今年一番になり得る作品でした。が、かなり尖っていて、人を選ぶゲームです。皆さんにおすすめできるかと答えはNOです。買うなら最悪、合わなかったときに売れるように、パッケージ版を買うのが無難かも。

だからといって実況者さんなどのプレイ動画を見すぎるのもオススメできません。「わからないことがありながら、手探りで進めていく」過程がめちゃくちゃ面白いためです。動画では雰囲気だけ掴むのが良いと思います。コンテンツ不足のPS5に、まさかこんな尖った作品を投入してくるとは・・・。

しかし、こういった作品がこれまでの常識を壊してくれることに、いちゲーマーとして興奮を感じてます。
それではここまでお読みいただき、ありがとうございました!

created by Rinker
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
最新情報をチェックしよう!
>