PS Plus会員向けフリープレイタイトルに、『ファイナルファンタジーVII リメイク(以下FF7R)』が追加されました!2021年3月2日~4月5日の期間限定とのこと。
いい機会なので、僕が以前FF7Rをクリアしたときに前身のブログで書いた記事を転載しようと思います。画像データが破損してしまっており、画像なし長文なので、気が向いたら流し読み程度でお読みいただければと思います。
プレイしようか悩んでる方や、これを機にPS Plusへの加入を検討されている方がいたら是非参考にされてください。
ユフィのDLCの情報なども出ているので、今後楽しみですね〜。
そもそもFF7とは?
リメイク元のFF7というのはゲーム界の中でも伝説的な作品で、1997年1月発売。初代プレイステーションのソフトであり、世界で1,000万本ほど売れたソフトです。
これを23年ぶりに、最新の技術でリメイクするということで、世界中のゲームファンからは期待と不安の声が盛んに上がっておりました。
僕も当時購入し、熱狂していたキッズの一人でした。登校中一人であれば、傘を剣に模して、主人公の必殺技であるブレイバーや凶斬りの練習をするくらいのキッズ感です。
そんな僕にとって、FF7Rはどうだったのか。
FF7Rをやっていない方でも、PS時代のFF7に思い入れのある方や、ゲームの歴史とか興味ある方、ぜひお読みいただければと思います。核心的なネタバレは控えます。
原作FF7はなぜ歴史的作品なのか
そもそも原作は何が評価されて世界でこんなに売れたんでしょう。
自分なりの解釈ではありますが、
これに尽きるのかなと思います。具体的には、
- 2D表現から3D表現への移行
- 暗い世界観、冷徹系主人公、重要人物の死
- BGMの進化
このあたりでしょうか。一つずつ簡単に掘り下げます。
2D表現から3D表現への移行
90年代当時、ゲームは2Dが主流でした。
2Dゲームというのは、左から右に進むスーパーマリオのようなやつですね。
グラフィックはドット絵で表現され、基本的に可愛いキャラクターを操作しゲームを進めます。
FFも、FF6までは2Dでした。上下左右にキャラを操作する、古きドラクエのようなものといえば伝わるでしょうか。
土俵はスーパーファミコン。FF6は僕の最も好きなFFで、世界で300万本売れました。
基本的にシリーズもののゲームの販売本数は、「前作の評価」の相関が大きいと思っています。まだまだスーパーファミコンは全盛期でしたし、FF6の出来はスーパーファミコンの限界を超えているように誰もが感じ、いまだに愛されているほどです。なので、無難にもう一度2DでFF7を作ればバカ売れ間違いなしです。当然FF7への期待は、世界中で高まっていたわけです。
そんな中、制作会社のスクウェア(後にドラクエのENIXと合併しSQUARE ENIXとなります)は、
- プレイステーションで、CD-ROM3枚組で発売
- フルポリゴン(3D)へ移行
ということを発表しました。当時ですと、ネット環境もほぼなかったので、告知はジャンプとかファミ通の雑誌上です。
当然キッズたちは
「!?!?!?
・・・・・・
??????」
という状態です。僕もそうでした。
当時はゲームといえばカセットでしたし、CDといえばテツヤコムロな訳です。続報を雑誌で見ながらも、?な状態は続いていました。
そんな中、FF7のCMが流れ始めました。そしてめちゃかっこいいCMを見て、全国のキッズは鼻血をだしました。
かくして、3D-FF7への期待はいっそうに高まり、実際に(当時では)期待値を超える出来でした。
FF7を期に、3Dゲームへの移行を始めたキッズたちは非常に多かったと思います。
暗い世界観、冷徹系主人公、重要人物の死
ゲームに限らず当時の多くの冒険ものの作品は、
- 悪いやつが世界を滅亡させようとしている
- 主人公は普通の田舎の村や街に住んでる
- 偶然妖精的なものに出会ったり伝説の剣とか抜いてしまって旅にでる
- 主人公は基本いいやつで、悪いやつ許せねえ!ってことで倒す
- 世界から感謝されてハッピーエンド
こんな感じでした。今自分で書いてて感心したくらいまじでこんな感じです。
そんな中FF7がどんなだったかというと、
- 神羅カンパニーという会社が星のエネルギーである魔晄を吸い上げ悪用し、世界を牛耳ろうとしている
- 神羅カンパニーはミッドガルという巨大都市にあり、金属プレートを土台としているミッドガルの地下にはスラムがたくさんある
- スラムから見ると、上空にミッドガルの大きな金属プレートがあって日の光がほとんど入らないし、スラムの人々は貧しい暮らしをしている
- そんな神羅に反旗を翻す、スラム発のアバランチというテロリスト組織がある
- 元ソルジャー1st(超強い)である主人公クラウドは、用心棒としてアバランチに雇われる
- 魔晄を吸い上げる魔晄炉のひとつを、アバランチがテロで爆破するミッションから物語がスタート
こんな感じです。超斬新に感じました。
また、最初の作戦中、アバランチのリーダーであるバレットが、
「神羅め、星をいじめやがって許せねえぜ!なあ?」
みたいなことを言ってきますが、それに対し主人公クラウドは
「興味ないね」
といいます。これにキッズはしびれました。キッズ総出でやられたと言っていいでしょう。
こんなやつ主人公では当時いなかったのです。幽遊白書の飛影くらいでしたこんなやつは。
その後なんだかんだあってミッドガルを出て、世界中を旅します。
ミッドガルを出たとき、広大なワールマップが広がり感動を覚えました。その後も重要人物の死があったり、明るみになる主人公クラウドの過去が当時にしては想像の斜め上をいくもので、エンディングまで暗い世界観が漂います。
当時は並行してエヴァなどもブームになっており、暗い世界観の作品が目新しく一気に流行し、新たなジャンルとして確立しました。
FF7はゲームにおけるその先駆けであったと言えます。
BGMの進化
最後のポイント、BGMについて。
FFシリーズのBGMは、FF9までとFF10の一部を植松伸夫さんという方が担当されていました。植松さんは控えめに言って神様です。
特に、個人的にFF4〜FF9あたりのBGMは神がかっており、常にハードの限界を超えるような音作りとキャッチーなメロディセンス、かつほのかに香るプログレ臭でゲーム音楽界を牽引していたように思います。
そんな中FF7においては、スーパーファミコン→プレイステーションにハード移行したことが大きく、音の数と種類が一気に増えました。特に革新的だったのは、
- エレキギターのリフから始まるボス戦
- 不安なストリングスで静かに始まるワールドマップ
- オーケストラのコーラスが入るラスボス戦
この辺りでしょうか。コーラスなんかは特に、FF7が先駆けでしたしすごいインパクトでした。
FF7以前以後で、ゲーム界全体のBGMのあり方が大きく変わったように思います。ちなみにFF8では、メインテーマに台湾女性シンガーのボーカルを起用し話題になりました。これも大好き。
リメイクは成功したのか
さて、長くなってしまいましたが肝心のリメイク(FF7R)はどうだったのかというお話です。
結論から言うと、成功だったと思います。
個人的にFF13、FF15が僕にとっていまいちで、シリーズとしてももう終わりかな、と思っていました。(FF14はオンラインゲームだったためやってない)
そんな中このFF7Rをやって改めて感じたことは、
- 世界観の作り込み、表現も含めた分かりやすさ
- 予想できないかつ引き込まれるストーリー
- 魅力的なキャラクター
- 楽しめる戦闘
- かっこいいBGM
これが、僕がFFに求めているものだと言うことです。
原作の良さが現代の技術でブラッシュアップされ、上記を満たし、見事な完成度だったと思います。
ただし本作は上記に述べたミッドガル脱出までで完結しており、続きは次回作でということらしいです。ここはご注意。
いくつかの項目ごとに偉そうに採点をしましたので、購入を考えられてる方はぜひ参考にされてください。
ゲーム部分(戦闘) 4.0/5.0
【良かった点】
・RPGの戦闘とアクションの戦闘の中間を見事に捉えたシステム
・キャラチェンジによって多彩な戦い方ができる(特にティファが楽しい)
・エアリスにキャラチェンジしたときの「はいは〜い」がすごく良い
【残念な点】
・ボス戦闘中にムービーが入ることが多く、発動した必殺技がキャンセルされるなど戦術がパーになる場面がある
・回避があってないようなもの。プレイヤースキル次第で全回避狙えるような駆け引きも欲しかった
・非操作キャラのAIが弱い。マテリアで拡充するシステムでも良いので解決策が欲しかった
・モンスターの種類が少ない
ゲーム部分(戦闘以外) 3.5/5.0
【良かった点】
・スクワット対決、バイクなど原作にもあったミニゲームが再現されている。新ミニゲームも充実
【残念な点】
・サブクエストははっきり言ってプレイ時間(≒ボリューム)稼ぎ。とは言え良いアイテムが手に入ったりするので無視できない
・マップがほぼ一本道。原作もそうと言えばそうだったが、やらされてる感が強い
・マテリアの種類が少ない
・武器カスタムは演出過剰だしあまり楽しくない
ストーリー 4.0/5.0
【良かった点】
・基本的に原作に忠実で、懐かしさを覚える
・原作にはない各アバランチメンバーの掘り下げがされており、個人的にはすごくよかった
【残念な点】
・ネタバレになるので書けないが、終盤の展開において一部にあるメタ的表現
キャラクター 4.0/5.0
【良かった点】
・原作に声がなかったにも関わらず、声優さんが素晴らしくほとんどイメージ通りだった
【残念な点】
・全体的にちょっと目がでかいかなと思った
・バレット声優さんの序盤の演技過剰感(中盤以降はすごくよかった)
・セフィロスがちょっときもい
・リアルになったからこそ、細部デザインにすごく違和感がある。街を歩いてるときのクラウドの剥き出しの大剣やバレットの腕の銃など。「浮かない」工夫をして欲しかった
・同様に、ボス戦の激闘後に息ひとつ切らしてないのとかもちょっと違和感あり
ムービー 5.0/5.0
【良かった点】
・全体的に素晴らしい表現だった
・プレイアブルシーンからシームレスでムービーへ移行するため没入感が高い
・今回もバイクのシーンがカッコ良かった(個人的に一番期待値が高いところだった)
【残念な点】
・特になし。ちょっとムービーが多かったかなという程度
グラフィック 4.0/5.0
【良かった点】
・作り込まれたミッドガル、スラム、魔香炉など全体的に雰囲気が最高
【残念な点】
・フレームレートが低い(多分30fps)。気にしない人は気にしないと思うが、フレームレート優先モードが欲しかった
・こまかーーいもの(よく言われてるのが洗面台とか)のグラフィックに適当感があり、全体のレベルが高いためすごく目立つ
BGM 4.5/5.0
【良かった点】
・基本的に原作忠実で、かつ映像負けしないアレンジがされており良かった
・戦闘ごとにBGMが違うくらいアレンジパターンがある
【残念な点】
・アレンジパターンが多すぎて同じ曲を何度も聞けない
・クレイジーモーターサイクルのイントロがなかった
というわけで、
総評
29.0/35.0 (82.9/100.0)
こちらです。100点満点にするなら83点!違和感なしです。
続編は開発に着手してるとのことですが、おそらく数年かかるでしょう・・・なので、いったんミッドガル脱出までというのが許容できるのなら、おすすめの一本です。
長くなりましたが以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。