DEATH STRANDING(PC/PS4/PS5)プレイレビュー

メタルギアソリッドの監督として世界的に有名な小島秀夫さん。
彼が独立し「KOJIMA PRODUCTION」を立ち上げ、最初の作品となったのが『DEATH STRANDING』です。
今回は今更にはなりますがこちらの作品をかんたんにレビューしておきます。

概要

荷物の積み方を調整する画面

本作、簡単に言うと「荷物を運ぶゲーム」です。
はっきり言って人を選ぶと思います。壮大なバックボーンのストーリーがありながら、やることは「荷物を頼まれた場所に運ぶ」というシンプルなもの。非常に地味なプレイを続けることとなります。
道中に敵やボスがいたりするので、アクション要素もあります。が、体験としてはおまけのようなものだと思います。
なぜ荷物を運ぶのかと言うと、アメリカ大陸を横断し「繋ぐ」ため。
「繋ぐ」という言葉が過剰と言って良いほど出てくる作品で、大きなテーマの一つとなっているあたりも小島さんの作品らしさが現れています。

最初は徒歩で、大きな山などを越えながら荷物を運びます。よくあるアクションゲームのようにダッシュ移動やジャンプなどはほぼ出来ません。なぜなら、担いでいる荷物の重さに伴って移動速度が遅くなり、かつよろめいて転んでしまったりするのです。よろめいてしまった場合、L2・R2ボタンをうまく押すと体制を立て直せます。
登山は、急な傾斜をよじ登ったり降りたりはほとんどできません。あらかじめロープやはしごを準備し、設置して上り下りするのです。これらも荷物と同様重さがあり、プレイヤーの行動力を低下させます。
ここで面白いのがオンライン要素で、他のプレイヤーが設置したロープやはしごがオンライン同期され、設置されていることがあります。近づいてみると、設置した人のIDと「いいね!」の数が表示されます。自分も「いいね!」をつけることが可能です。逆に、自分が設置したものがオンラインで誰かの役に立ち、「いいね!」が集まってきたりします。
これが思いの外新しい体験で、オンラインの他のプレイヤーに自然と感謝の気持が生まれます。ロープがなくなってしまって、一回引き返したほうが良いかな・・・と思った矢先誰かの設置のおかげで進むことが出来、「おおーナイス!ありがとう!」という気持ちになるのです。また、自分も「ここにこれを設置しとくと他の人が喜ぶかも」と考えながら進めていく様になっていきます。こうした体験が、他のプレイヤーとの「繋がり」を感じさせるのです。
中盤以降は道を作ってバイクや車で配送をすることが出来ますが、少し大変な道路の建築もオンラインで同期し、いつの間にか誰かのおかげで道が広がっていたりします。

誰かが川へはしごを掛けてくれていた

いろんな労力を経て目的地へ荷物を届けられた時。なかなかの達成感があります。この達成感はすごく独特で、実際にプレイしてみないとわからないかもしれません。

ゲームに限らず、オンラインで他人とコミュニケーションを取る時って良いことばかりではありませんよね。SNSでの誹謗中傷、対戦ゲームでの煽り、などなど挙げればキリがありません。しかしこのゲームにおいては、オンラインで「感謝」しか感じません。そういうふうに出来ているのです。上記のようなネット社会と共にある現代へのメッセージとしてもすごく良く出来ているシステムであり、それを見据えたマップの作り込みも含め見事としか言いようがありません。圧巻でした。

しまった長くなってしまいました。とはいえメタルギアソリッドとは大きく方向性の違うゲームです。小島さんはもう、スネークに別れを告げたのだ。そう確信するほどの方向性の違いと、完成度がこの作品にはあります。

ターゲット

  • 全く新しいゲーム体験がしたい方
  • いわゆる雰囲気ゲーが大好きな方
  • とにかく小島さんの作品のファンである方
  • ノーマン・リーダスを始め、登場している俳優さんが好きな方
  • 建設系など、地道な作業を続けるゲームが好きな方

いいところ

  • 世界観、キャラクター、マップ、ストーリー、BGMの圧倒的な作り込み
  • 全く新しいゲーム体験
  • 上述のオンライン要素

悪いところ

  • 終盤のストーリーが分かりづらく、かつエンディングが長すぎる
  • 爽快感を感じるポイントがない
  • かなり人を選ぶゲームだが体験版がない
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