有名なゲーム実況Youtuberのガッチマンさんが動画でおすすめされているのを見て、『天穂のサクナヒメ』を購入してみました。
現在10時間ほどプレイしているのですが、これは面白いです。企画開発は「えーでるわいす」さんというところだそうで、恥ずかしながら自分は初めてお名前を知りました。いわゆるインディーズゲームにあたるんですかね。
実際にプレイしてみて、システム・世界観・キャラクター・BGMと、どれをとっても異常なまでにこだわって作り込まれたものだと感じました。
10時間プレイした現在、「買い」なゲームだと思っています。はっきり言って大当たりでした。インディーズゲームで大当たりの作品に出会うと喜びはひとしおです。
本記事では、主にゲームシステムの観点からプレイレビューをお届けしようと思います。
ゲームシステム
本作は、2DアクションRPGと稲作シミュレーションを融合させたゲームとなってます。この時点でちょっとほんとに大丈夫?なコンセプトだと思うのですが、その融合が見事でした。
2DアクションRPG要素
ステージを選択して、ゴールまで進む。ステータスや装備、技を駆使して敵やボスを倒す。本作のザ・2DアクションRPGとしての1シーンです。
弱攻撃、強攻撃、遠距離に届く羽衣での様々なアクション、またはそれらによる技を使いこなしながら、右へ右へと進んでいきます。
難易度選択もできますが、自分はノーマルを選択。ノーマルの難易度は、サクサクではないが死にゲーまでは遠く及ばない、くらいの感覚です(伝わるのか)。
普通に斬りまくって戦うのも良いのですが、技によっては敵を吹っ飛ばす事ができ、吹っ飛んだ敵が別の敵にあたってそいつも吹っ飛んで・・・といった感じでピンボールのような攻め方も出来ます。連鎖させるほどダメージが上がるようになっていて、これが意外と楽しい。
ザコの大群が出てきてうわー、と思った矢先、吹っ飛ばしがドカンドカン決まって一掃できたときの快感はなかなかのもんです。むしろ、これをメインのアクションに据えても面白かったんじゃ・・・と思うほど。
アクションゲームになく、アクションRPGだけに許される楽しみが「キャラクターや装備の成長要素」です。
本作はなんと、後述する「稲作で米を作ること」によって主人公のステータスが増えて強くなっていくのです。品質の良い米が作れると、その分ステータスが上がる。なんというオリジナリティか。
ステージをクリアして次のステージに挑戦する時、本作は憎らしいほどちょうどよく敵が強い調整になっています。あー、ちょっとレベル上げするか。となるあの現象が起こります。(ただこの調整っておそらくかなり難しくて、あまりにも強すぎるとモチベーションが下がってしまってゲーム自体投げてしまうということもあるかと思います。そのあたりこのゲームは絶妙なバランスです。)
で、「よしレベル上げするか〜」じゃないんです。
「よし、うまい米作るか」
となるのです。なんというオリジナリティか。
稲作シミュレーション要素
本作は春夏秋冬の各季節が3日ずつあります。1年が12日で終わるというわけです。また、日中と夜の概念があり、夜になると敵が強くなります。1日の流れは、
- 稲作作業をやる
- マップに出て、素材収集しつつ1ステージクリアする。だいたい夕方くらいになる
- 夕飯を食べる(時限的なステータスアップ)
- 夜のマップに繰り出すか、寝て翌朝を待つ
こんな感じです。じっくりやると、だいたい2時間弱で1年が過ぎます。稲作の周期としては、冬の終わりくらいから仕込み始めて、秋に入った頃収穫します。
1日のルーティン的な稲作作業は意外とシンプルで、肥料をまく、水の量を調節する、雑草を抜く、害虫を食べる虫を放っとく、くらいのものです。5〜10分でサクッと終わります。牧場系のゲームでは毎日めんどくさい工程があったりしますが、本作はサクサクっと出来ます。また、熟練度が上がって作業スピードも上がっていきますし、めんどくさかったらNPCに任せるということも出来ます(ただし米の質は落ちる。ワンマン経営)。
ただ。米の品質には様々な要素が複雑に絡み、めちゃめちゃガチです。「wikiは農林水産省のホームページ」と半分冗談で囁かれているそうですが、あながち間違っていないです(実際に攻略サイトを覗くと、「田植えのコツ」といったページがあって笑ってしまいました)。気にしなければいけないこととしては、
- 作りたい米の方向性を決める(量重視、質重視などかなりのパターンがありそう)
- それに合わせた苗の選別
- 田植え前の肥料の栄養素の配分
- 田植え時の間隔
- 田植え後の稲の育ち具合に応じた水量(天気や気温も考慮する)
- 田植え後の肥料の栄養素の配分
- 害虫や病気、毒素のチェックと対策
- 収穫時の乾燥度合い
10時間プレイの時点でこれだけのことが見えています。これらは、基本的なチュートリアルに加え「農書」と呼ばれるアイテムによって明らかになっていきます。いろんなことを試し、収穫時の品質を見て、PDCAを回すのです。
このゲームがうまいな〜と感じさせるところは、「結果が主人公のステータスに返ってくる」というところです。ゲームやってるときの一番のモチベーションって強くなることですよね。ゲームの世界くらい、やっぱり強くなりたいじゃないですか。
なのでいい米が作れたとき、「うおっしゃ!」って心から思えるのです。そして強くなった主人公とともに新たなマップへ繰り出す・・・新たな素材が手に入る・・・そんな感じでこのゲームにハマっていきます。
ちなみに米ができるとなぜ強くなるのかはわかりません。このあとのストーリーで明らかになるのか、それとも稲作の過程でフィジカルも成長したよね的なことなのか。まあ面白いのでどっちでも良いです。
その他
ネタバレしないよう、他の雑感をサクッと書いときます。
- 古き「和」っぽい世界。『大神』とか好きな方はハマるかも
- 序盤のストーリーとしては、6人で鬼がいっぱいいる島に自給自足で住むことになった。稲作をしながら周囲を開拓していこう、といった展開。しかしキャラクターや世界観は明るく、今後も悲劇は一切なさそう。のほほんとした世界に浸れます
- BGMは全体的に和っぽく、癒やされる系のものが多くいい感じ。アクション時はもう少しバトルっぽいものもあってよかったかも。モンハンのオオナヅチとかタマミツネのBGMみたいなの大好きです
- インディーズゲームとは思えないUIの良さ。わかりやすく操作しやすく素敵
こんな感じです。牧場物語のようなゲームが嫌いじゃないが長続きしない。アクションは好き。という方にはジャストミートな気がします。
改めてですが、本当に良いゲームだなと感じています。メインでゴリゴリプレイすると言うよりは、サブで一本持っておいて息抜きにやる、くらいが最高かも。
気になってる方がいたら、以下に購入リンクを張っておくので是非プレイしてみて下さい。口コミもめっちゃ良いですね。